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テレまめ

ペルソナですが何か?〜ドラマの登場人物に共通するあること

冬ドラマが終盤を迎えております。折しもWBC(ワールドベースボールクラシック)が開催されておりますが、野球で言えば7回の攻撃での一発逆転のごとく、予想を覆す展開が相次いでいます。先々週も「裏切られる快感」と題してお送りしただけに、この裏切りはドラマファンのMっ気をくすぐりますなぁ。

「嫌われる勇気」(フジ)では、かつて蘭子(香里奈)を誘拐し、そして今、事件の真相に近づいた青山(加藤シゲアキ)を襲撃した犯人は、心理学准教授の土方(寿大聡)でした。土方といえば、ちょいと感覚のズレた助手という完全なる脇キャラとしての認識でしたので、こりゃやられた!って感じ。

「カルテット」(TBS)は、ドラマ全般のテイストが、始まる前の予想はサスペンスだったのに、時折コメディっぽいテイストも織り交ぜながらの、緻密な心理描写にも唸っていたら、終盤になって真紀(松たか子)が真紀ではなく正体が不明!という展開になってきて、やたらとミゾミゾしてきております。

そして感じたのが、みなが巧妙に「仮面」を被っているということです。

土方はいわゆる天然キャラの仮面を被ることで捜査の中核から外れた場所に立ち、そして最終回で明かされるであろう真犯人『メシア』も、ここまで完璧な仮面を被りながら事件を主導していたことになります。

真紀も文字通り『真紀』という仮面を、さらに言えば、真紀←別府(松田龍平)←すずめ(満島ひかり)←家森(高橋一生)の全員片思いの図式でも、それぞれの恋慕の情を隠す仮面を被って共同生活を送っていたのですね。レストラン「ノクターン」の従業員・有朱(吉岡里帆)が、可愛い笑顔の仮面の下にけっこう下衆い本性を覗かせるのも、ドキリとさせました。

「真昼の悪魔」(フジ)の葉子(田中麗奈)は善良で親切な女医の仮面の下に冷酷非道な本能を隠し、「レンタルの恋」(TBS)のレミ(剛力彩芽)は、毎回完璧なまでのコスプレをすることを仮面として、レミ本人がどんな人なのかは全くの謎。そして「嘘の戦争」(フジ)で、浩一(草なぎ剛)とハルカ(水原希子)たちが詐欺を働くために、名前や経歴を偽るのも、また仮面。

ストーリーを開いていく扉だったり、物語の厚みを増す層になったりと、仮面は色んな役割を果たしてくれているのだなぁと感じられます。

少女漫画の名作「ガラスの仮面」のように、演劇そのものを仮面と称することもありますね。仮面を全て外す時がお芝居の大団円、フィナーレということになります。いずれのドラマも、爽快で痛快な大団円を期待しています。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第834号)

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