19Jan
ここ10年ほどの朝ドラはずっと初回から最終回までを見る事を続けているのですが、ふと最近一年程の作品に、今までとは違う感覚を持っている自分に気づきました。
この一年の作品と言えば「スカーレット」「エール」そして現在放送中の「おちょやん」。何に対して感じるものがあるかというと、主人公の父親になんです。
「スカーレット」のヒロインの父は、酒好きでお調子者の性格で、進学を望む娘の気持ちを無視して奉公に行かせ、その後は自分の都合で実家に呼び戻し…と、ヒロインの人生を翻弄させます。
「エール」は男性主人公ですが、その父はお人好し過ぎて騙されやすく流されやすい。家業も家族の前途もいまいちビシッと決められない。
「おちょやん」の父はこれまた酒好きで、幼い娘に家のことを任せた上、勝手に若い後妻を連れてきて、結局娘を追い出す形に。その後、貧窮するとまたも娘を売ろうとする。
こんなダメ親父が3連発なわけですが、その前の作品をさかのぼると「なつぞら」では亡くなったお父さんが広い愛でヒロインを見守る形でのナレーションでした。「まんぷく」はヒロインが幼い頃に父は亡くなった設定で本編には出て来ず。(その代わりにヒロインの母は少々毒っぽかったですが。)さらにその前は6作に渡って、頭ごなしにしかりつけるような頑固おやじではない「いいお父さん」が続いていました。
昔は朝ドラに出てくるお父さんは「頑固おやじでも実は気のいい、どこか憎めない」イメージで見ている気がしたんですが、4年ぶりに出会うダメおやじに違和感を憶えるというのは、その間に、やたらと「ハラスメント」に敏感な世の中になったからなのでしょうか。それとも、昭和初期や戦後間もない頃の時代背景が、経年と共に廃れてきたからでしょうか。
朝ドラのヒロインは「苦難や試練を乗り越えて逞しく生きる」のが定番。その第一の試練として、ダメおやじは配されているのでしょうかね。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第1030号)
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