14Jun
従来より精密なテレビ映像を提供する4Kの試験放送が今夏、BSで始まる。表現の幅が広がることへの期待の一方、鮮明な映像がかえって独特の雰囲気を損なわないかとの懸念がある。昔ながらの味を残しながら、4Kならではの作品をどう作るか。現場では試行錯誤が続く。
4Kは現行のフルハイビジョンの4倍の解像度を持つ。2020年の東京五輪をにらみ、8月からはBSで試験放送を開始する。総務省などがまとめたロードマップによると、18年に実用放送を始め、20年の普及を目指している。 将来を見すえ、時代劇では4K作品が増えつつある。昨年は「佐武と市捕物控」(BS日テレ)、今年2月には「三屋清左衛門残日録」(BSフジ)が制作された。
これまで時代劇では映像のざらりとした質感やくすんだ色合いが好まれ、フィルムでの撮影が多かった。4Kでの撮影には、シャープながら柔らかい映像が撮れる単焦点のレンズを使用。照明の当て方も従来と同じようにはいかないという。セットを使った撮影が多く、映像の鮮明さがかえって作りものの印象を際立たせてしまう恐れもあるからだ。
地肌とカツラの境が見えてしまうケースも増えており、カツラを提供する八木かつらでは「もはやカツラは特殊メークの域に入っている」とし、主役級のメークには従来の倍近い時間をかけたり、他にも工夫をしているが、全く映らないようにするのは難しく、そこで出番が増えているのがCGだ。カツラと地肌の境目などを消すのに不可欠になっている。(Yahoo!ニュース<6月12日付>より)
そうか、時代劇とは、既にこの世に存在しないものを映像として表現するという観点からは、SFと同義なのかもしれませんね。確かに、従来の時代劇でも、こめかみの辺りのカツラの境目はなんとなく目がいってしまっていました。最近では、生え際は自毛を使って結い上げるタイプのカツラも増えてきているようですし、『リアルに虚像を描く』という矛盾した命題に挑む製作陣の真価の見せ所なのですね。
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