22Feb
世にはびこる「ツイッター」なるSNSは、「悪ふざけ写真の投稿」とか「投稿を前提にした節度のない撮影」など、事あるごとに悪い事例でしか取り上げられない印象があったもので、ずっと避けてきたのですが、いわゆるまとめサイトなどで、笑えるものや感心できる内容のものも多数あることを知り、最近では私も、ちょくちょく覗くようになってきました。
その中でも人気のあるものは、書籍化など更に次なるメディアへ展開することも少なくないらしく、やはり時代を象徴する存在なのだなと、改めて実感してしまいます。
読売テレビ(日本テレビ)「ニーチェ先生」は、ツイッター投稿が元になってコミカライズされ、それがドラマ化となった作品です。
松駒(浦井健治)は就職浪人生で、深夜帯のコンビニ店員としてバイト中。そのコンビニに新人バイト生として仁井智慧(間宮祥太郎)が入ってくる。
「お客様は神様だろうが!」と因縁をつける客に対して「神は死んだ」と言い放って追い返すなど、遜ることを全くしない仁井のことを、松駒は心の中で「ニーチェ先生」と呼び、観察することにしたー。
ドラマの脚本・演出は福田雄一さん。深夜ドラマの神、ギャグの鬼才として不動の地位を誇る大先生が担当しますからには、原作の設定を凌駕するほどの演出が期待できます。
実際に特筆したいのは、松駒の幼なじみの看護師で、夜勤明けに来店して仁井に一目惚れしてしまった塩山楓を演じる松井玲奈さんのぶっ飛びな演技。どストライクな理想の男性である仁井に惚れ込み過ぎてストーカーと化す楓は一見の価値ありです。
そして、福田作品になくてはならない佐藤二朗さんは、今回は店長役として登場しますが、いい意味で「佐藤二朗以外の何者でもない」と言えます(笑)。
実家はキリスト教信者でありながら僧侶を志すという仁井のどんなことにも動じない冷徹さと、平均的常識人として無難にやりすごそうとする松駒、宝くじを当てて大金を得ることしか考えていない宝くじ先輩(シソンヌじろう)、妄想の中で仁井との恋愛に暴走する楓、空気の読めない店長、決してクロスしない直線が縦横無尽に乱れ飛ぶ感じを、間違って来店してしまったお客さんの気持ちでお楽しみください。
また、先日のテレまめでも少し触れましたが、松駒役の浦井さんの「エヘエヘ」した感じと、フジ月9「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で、音ちゃん(有村架純)に無茶で過酷な勤務を押しつける上司のイヤな感じとの温度差にすごくギャップを感じられますよ。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第780号)
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。