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ヒガシノオサバキ。【予告犯 -THE PAIN-】

かなり昔の時代、いわゆる「銀幕のスタア」と呼ばれる映画俳優は映画会社の専属であって、他社に出演することはありませんでした。そういう協定が結ばれていたのです。その後、エンタメの主流がテレビに移ってこの協定は消滅しましたが、それでも「局の垣根」というものは存在していました。

しかし、現在ではその垣根もどんどん低くなり、もはや膝の高さぐらいしかない状態です。他局の番組の視聴率の話題をしたり、パロディを演じたり、極め付きは、NHKの紅白歌合戦に民放のバラエティ番組のキャラクターや、局アナが出演することが可能になってきたことでしょう。

ドラマ「ダブルフェイス」や「MOZU」はTBSとWOWOWが共同制作し、お互いの局で放送する特異な形を取りました。また、かつてTBSの月曜時代劇枠の人気シリーズだった「大岡越前」がNHK・BSで放送されると知った時、てっきり新版として制作されるのかと思ったら、明確にリメイクとして作られて題字や主題歌に至るまでTBS版と同じだったのは、ちょっとした驚きでした。

同じように、映画とテレビがコラボするのも珍しくなくなりました。今回は、6月6日に公開された映画「予告犯」(生田斗真主演)のスピンオフ作品を、WOWOWが映画公開の翌日スタートで連続ドラマ「予告犯 -THE PAIN-」として放送しています。

「シンブンシ」の事件から1年後の東京。ライターの水谷(桐谷健太)は、電車の中で痴漢の冤罪を被り、無罪の主張を貫くも裁判で有罪となる。世間の無常を感じながら冤罪被害者の会合へ行くと、そこで謎の男・佐久間(東山紀之)と出会う。佐久間は水谷へ、インターネット上での「公開裁判」にて身の潔白を訴えることを提案する。

佐久間はネット裁判の裁判長という裏の顔を持ちながら、表の顔は現職の裁判官という衝撃の事実。これがドラマの肝となりそうですね。そして、このサイバー騒動を操作する警察側のチーフとして、映画版と同じ吉野刑事役で戸田恵梨香さんが登場してくるのも、興味深いところです。

世の中の理不尽を裁くという点では、「デジタル時代の必殺仕事人」という気もしますが、そういえば東山さんは、21世紀版の「必殺仕事人」や、前述のBS版「大岡越前」にも主演していましたよね。「裁くといえば東山」みたいな流れができているような…?

ともあれ、前作民放ドラマでの東山さんの大きめの演技がどうにも受け付けなくて2話あたりで脱落してしまった私としては、やっぱこの佐久間役ぐらいのトーンが東山さんぽくっていいわぁ、と次回を楽しみにしています。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第745号)

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