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テレまめ

キマってるね、千葉ちゃん!

春、秋、年末年始の改編期と違って、7月期はスペシャル番組も少なく、けっこうあっさりと新番組が始まっていくので、ご油断なきよう。

さて、私はまず7月1日からスタートしたNHKのBSプレミアムよるドラマ「おわこんTV」をチェックいたしましょう。

ドラマの舞台は、テレビ番組制作会社の「チョコレートTV」。チョコのように皆に愛される番組作りがコンセプトのはずだったが、いまやクレームのお詫びにチョコの詰め合わせを持参するのが恒例になってしまっている。中央テレビの人気ドキュメンタリー番組「熱血ダイアリー」の取材・制作を発注されるが、放送日間近になったとき、取材対象の小説家からネットに「ドキュメンタリーなのに構成台本が存在するなんて、ヤラセ番組だ」と書きこまれ、窮地に追い込まれる。

タイトルにある「おわこん」とは、「終わってしまったコンテンツ」の意味。テレビがメディアの花形として栄華を極めたのはすでに遠い昔の話だと、揶揄する言葉なのです。

第1話の中心となったのは、ドキュメンタリーディレクターの三橋(小泉孝太郎)で、独善的ともいえる正義感の持ち主で、少々頭が固い。ドラマプロデューサーの加奈子(片瀬那奈)は、現実主義者で、プランと予算の板挟みに悩まされる、人呼んで「謝罪の女王」。バラエティ総合演出の高橋(戸次重幸)は、ギリギリの状況にならないと燃えない、根っからのバラエティ病。そしてこの制作会社の社長は、かつては敏腕プロデューサーとして知られた荒巻源次郎(千葉真一)。豪快な人物だが、業界からの信頼も厚い。

個性派のキャストの中でも、御歳75歳の千葉真一さんがカッコいいんです。社長として部下のピンチを救ったり、考え違いを正したり…そんな社長然とした荒巻さんよりも、ムチャブリで社員たちを困らせたり、常識はずれな発言をするヤンチャな笑顔を見せる時の方が断然魅力的なんですから、まさに永遠の少年を体現できるお方なのですね。

ちなみにこのドラマは30分番組で、話がサクサク進む感がありますが、時間だけではなく、荒巻社長の頭の回転の速さと決断実行の速さが、さらにその快速感の元になっているような気がします。

テレビっ子にとって「テレビはおわこんだ」とは言いたくないものです。新しいテレビを模索する業界人たちの奮闘の中に、そのヒントは見えてくるでしょうか。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第697号)

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