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ブルースの調べ【義母と娘のブルース】

ドラマのタイトルを略称にするのは近頃すっかりお馴染みの現象で、こざる局長も毎クール前にドラマ略称を提示してくれておりますが、今日取り上げるのは「ギボムス」。

何だかいやにインパクトがあるというか、ロボット風で厳ついというか(それは「装甲騎兵ボトムズ」)、一瞬ドラマのタイトルだとは気づかないような響きなんですが、略す前の元タイトルは「義母と娘のブルース」です。

義母をそのまま「ギボ」とは発音せずに「はは」とか「お義母さん(おかあさん)」と読ませてオブラートに包むのが一般的になっている昨今、あえてこのダブル濁音のインパクトワードが新鮮でストレートに感じられます。

母亡き後、父親と二人暮らしをしてきた小学生の宮本みゆき(横溝菜帆)は、ある日、父の良一(竹野内豊)からひとりの女性を紹介される。飾り気のないスーツ姿でいきなり名刺を差し出すその女性・岩木亜希子(綾瀬はるか)はみゆきの新しい母だという。

大手金属会社の部長としてバリバリのキャリアウーマンである亜希子は、みゆきとの対面を取引先とのプレゼンと把握しており、そんな亜希子の言動に反発するみゆき。新しい3人の生活はなんだかギクシャクした状態で始まるが、実は良一と亜希子の結婚は、ある約束がもとになっていた。

ドラマの進行の方は既に第2部に入っているので、この「約束」をネタバレしますと、病気のために余命いくばくもないことを悟った良一が、自分の死後、みゆきのことを託す義母としての契約結婚でした。

亜希子にとっては、仕事一筋で趣味なしオトコなしで過ごしてきたものの、他愛ないことを語り合う相手すらいない寂しさを解消するための契約。

しかし、みゆきに偽装だとバレないために詳細を打ち合わせ、お互いを分かり合ううちに契約を超えた真実の気持ちが芽生えていく…というのは、同じ火曜10時枠の「逃げるは恥だが役に立つ」と同じ展開で、事実、「逃げ恥」に匹敵する話題と人気を呼んでいるようです。

「逃げ恥」と違うのは、契約夫婦は結ばれずに、物語は他人親子の生活に移行します。良一の死後10年が経ち、高校生になったみゆき(上白石萌歌)に、亜希子が生きる指針としての仕事の大切さを教えていこうとするのが、第2部の展開になります。

ドラマの中で面白いのが、麦田章(佐藤健)の存在。第1部では亜希子たちの生活圏内ですれ違う位置にいて、期せずして小さな奇跡の引き金となる人物なのですが、亜希子とみゆきの姿を見たことで親孝行を思い立って実家に帰り、それが亜希子の再就職先となるパン屋であるという繋がり方になっています。

麦田は基本的に考えが浅くて甘くてクズな男で、朝ドラの律とは正反対(笑)。このクズな感じ、テレ朝の「ヒモメン」の碑文谷翔(窪田正孝)とも通ずるところがある、呆れるけどなんだか憎めないヤツです。イマドキってこんなオトコ流行りなの?(笑)

亜希子とみゆきの不思議な親子関係と合わせて、章との不思議な雇用関係にも興味が沸くギボムス。なんだかこの先もずっとその関係性を見つめて行きたくなる気分なんです。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第908号)

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