31Aug
以前はお昼の定番だった連続ドラマ。骨肉の争い、愛憎劇など、重い悲劇要素が次から次へと襲い掛かり、ドロドロとした内容になることから昼ドラならぬ昼ドロなんて呼ばれていたものでしたが、そんな路線に近いと思えるのが、ドラマ「私たちはどうかしている」(NTV)です。よる11時台以降のもう少し深い時間帯はともかく、ドロドロ系ドラマのプライムタイム放送というのは珍しいのではないでしょうか。
七桜は幼いころ、母と共に老舗和菓子店「光月庵」に住み込んでいた。店には同い年の一人息子・椿がおり、ふたりは一緒に菓子を作っていたりした。ある日、店の当主が刺殺され、目撃者とされた椿が、犯人として七桜の母を名指ししたことで、七桜の人生は呪われたものになった。
15年後、和菓子職人となった七桜(浜辺美波)は、ある和菓子対決をすることになる。その対戦相手はほかならぬ椿(横浜流星)だった。その日の帰り際、椿は七桜にいきなりプロポーズし、母の冤罪を晴らすために光月庵に入り込みたい思惑がある七桜はそれを受け入れる。
しかし、椿に指定された3日後に七桜が店を訪ねると、奥座敷では椿と老舗旅館の娘・栞(岸井ゆきの)との挙式が執り行われている真っ最中だった。
和菓子の色彩の美しさ、登場人物の和服着用率の高さ、そして主演の浜辺さんや横浜さんの「番茶も出花」な、若さと美しさが、画面を艶やかにしているのと半面に、物語のベースは殺人事件、えん罪、復讐、跡目争いに裏工作とどす黒さが渦巻いている対比が、面白みを際立たせています。
老舗の世界観は、少なからず時代錯誤感に支配されていて、見る者にとっては現実逃避の効果もあるように思います。
そしてこの作品に関して出色なのは、椿の母親・今日子役の観月ありささん。物語が謎に包まれている初回の段階から、怪しさも妖しさも満点な、キーパーソンとして存在感を放っています。大旦那様の佐野史郎さんは、これまたエキセントリックの象徴みたいな役者さんですし、ここに、アイドル的人気の浜辺さんと横浜さんが翻弄される展開に興味がわきます。
宵闇に漂うドロドロ劇の結末や如何に?
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第1011号)
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