menu

テレまめ

おっさんずラブの偉業

昨年末に取り上げきれなかった作品に「おっさんずラブIn the sky」があるのですが、少々でも私の事を覚えてくれている方なら「戸次重幸さんが出演しているのに、見てないのかな?」とか思っていました?いやいや、放送は毎週きっちりと、身悶える用のクッションを抱きながら切なさに打ち震えて見ておりましたよ。

「おっさんずラブ」は、まず2016年に単発版として制作されたドラマから、2018年には連ドラとなり目覚しいヒットを記録して、その後劇場版も公開されて、まさに社会現象を起こしたとも言える作品。とは言え、私は連ドラのシーズン1を見逃しているうちに社会現象的ヒットとなったために、乗り遅れてしまった感があったのです。

それで「インザスカイ」からあらためて見てみることにしたのですが、没頭するにつれこのドラマのすごさを感じたのは「恋愛対象が同性」ということを、ごく普通のこととしてあえて特異な描写はしていないことです。

こちとら半世紀以上生きてきて、ボーイズラブという単語ができる以前からそのジャンルの創作物にも手を出してきた乙女時代を経てきましたからね、いわゆるLGBTにも偏見はないつもりでいたのですが、それでもどこか「非日常」のような特別なものとしての認識はあったのかも知れません。

それがOL(おっさんずラブの略)では、緋夏(佐津川愛美)が好きな春田(田中圭)のことを、四宮(戸次重幸)も好きだと知って「私たち、ライバルですね!」と宣言したり、緋夏と付き合おうとしていた春田が成瀬(千葉雄大)のことが気になり始めるも、それは純粋に単なる恋愛感情の悩みであることに、啓発されたような思いになりました。

おかげでテンプレな展開にはならずに、純然たる恋愛ドラマとして「人を好きになるとは」のテーマが際立つことになり、尚更その切なさに身悶えることができたのです。

と同時に、恋愛対象が同性ということは特に変なことではなく「痩せた人よりふっくらした人が好き」とかとそう大して変わらない程度の、無理からぬ個人差だと思えてきました。

そんなことを気づかせてくれた「おっさんずラブ」のヒットは、あえて「偉業」と呼ばせていただきたい。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第980号)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

お知らせ

スポンサードリンク

特別企画

関連サイト

アーカイブ