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テレまめ

旧いドラマを思い出す

10月31日に発生した、沖縄県の首里城の火災にはたいへん驚かされました。沖縄といえば、若い世代に至るまで、郷土の歴史や文化に深い思い入れがある県民性だとの印象がありましたので、そんな観点からも悲しみや落胆の大きさを感じ取りました。

同時に、首里城といえば琉球王朝の王城ということで、私は「琉球」が登場するNHKのドラマのことを思い出していました。そのドラマとは、「テンペスト」でも「琉球の風」でもなく、1979年に放送された「日本巌窟王」です。

昨年、ディーン・フジオカさんでドラマ化されたフランスの小説「モンテ・クリスト伯」を原作に、これを日本の時代劇に置き換えたものでした。当時中学生だった私は、「モンテ・クリスト伯」の内容はざっくりとした知識があったものの、読んだことはなかったのですが(実は、翻訳モノの小説は、カタカナ名前を覚えきれなくて、誰が誰だか分からなくなるという弱点がありまして。)時代劇に仕立てたことで、陰謀や復讐といった構図が分かりやすい勧善懲悪の物語として際立っていました。

濡れ衣を着せられ投獄された主人公・葵月之介が、脱獄を果たし、莫大な財宝を手にして、かつて自分を陥れた者たちに復讐を仕掛けていくときに、協力者となったのが、琉球の王族の真美姫。陰謀や策略、謎の白頭巾や王宮の貴族などへの変装に加えて、琉球武術を基本にしたアクションも取り混ぜた、非常にエキサイティングなドラマだったとの印象があります。

ちなみに、主人公の月之介を演じたのは、草刈正雄さんで、真美姫は三林京子さんでした。草刈さんは9月までの朝ドラ「なつぞら」でのじいちゃん役、三林さんは続く10月からの朝ドラ「スカーレット」で元女中のおばあちゃん役でして、そんなお二人に「日本巌窟王」で見た琉球文化を思い出していたタイミングでの火災のニュースでもあったわけです。

残念ながら建物は燃え落ちてしまいましたが、様々な映像に、そして人々の心の中に、たくさんの記憶は残っています。いずれ再建されるその日まで、大切に刻みつけていきたいと思うのでした。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第970号)

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