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テレまめ

常識って?【僕らは奇跡でできている】

先だって、今年度のノーベル賞の受賞者が発表になり、医学生理学賞に本庶佑さんが選出されたのは記憶に新しいところです。日本人から世界最高権威賞の受賞者が出ると、翌日以降のテレビでは受賞者の人となりや生い立ちなどをこぞって紹介しますが、その際よく聞くのが「学生時代はいわゆる優等生ではなく、ヤンチャで奔放な子供だった」といった“ギャップエピソード”です。

「やっぱり天才はどこか違うんですね!」というコメントでしめる展開ありきの定番ですが、実際問題、我が子がヤンチャで奔放な野生児だったら、「よしよし、将来の大物!!」と大きく構えてはいられない親が大多数ですよね。

大学講師でありながらも、奔放で捉えどころのない純真無垢なキャラクターを高橋一生さんが演じる秋ドラマ「僕らは奇跡でできている」(フジ)が始まりました。

相河一輝(高橋一生)は私立大学で動物行動学を教えているが、生徒も大学職員も、彼のマイペースぶりに振り回されては面食らっている。変人として思われている彼の理解者は、恩師であり上司の鮫島(小林薫)と陶芸家の祖父(田中泯)。

ある日、そんな一輝の虫歯が痛み出した。鮫島の紹介で訪れた歯科クリニックでも、治療を拒否して帰ってしまったり、再予約をすっぽかしたりと、一輝の言動は歯科医の育実(榮倉奈々)をイラつかせ、「常識がない」と怒らせてしまう。

普段、「普通の常識」の中で生きていると思い込んでいる自分ですが、この一輝先生の中には、固定観念はなくて、すべてが可能性。仮説はあっても予断はなし。教科書に答えはなくて、ただ自然と生命がそこにあるだけ。

高橋さんのまあるい微笑に癒されながらドラマを見ていると、常識って何?普通って誰が決めたの?価値観に意味ってあるの?と、ふんわりとした繭に包まれる心地になります。

ドラマの中には、少々ヒネた大学生たちとは対照的な、好奇心に満ち満ちた虹一という少年が登場します。彼もまた「ヤンチャで奔放な子供」で、自由な発想に微笑ましくなりますが、彼の母は、テストの成績が悪くて、他人に無防備な息子に苛立ちます。天真爛漫で子供が子供らしくて素敵なのに、それを良しとしない「現代の常識」が世知辛いですねぇ。

確かに、向上心を持って競争を勝ち抜くことも素晴らしいことではありますが、このドラマでは一旦それらを解放してみると、新しい喜びが見つかるかも!と思わせてくれます。

まずは高橋さんの笑顔が価千金のありがたさ。そしてその笑顔が、ハッと何かを呼び起こして考えさせられる。不思議に人を惹きつける一輝先生の授業を、あなたも受けてみたくなるはずです。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第917号)

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