18Jun
本格的な夏を前に、旅行の計画を立てている方もおられるのでしょうか。テレビの中でも様々な旅が紹介されています。実際に動けば金もかかるし、疲れるし、天候や気候にも左右されるし…ってんで、画面上でバーチャルな旅体験をするのか。あるいは自分が旅する際の参考にするのか。はたまた番組をきっかけに、同じ場所を訪ねてみる動機付けにするのか。
かなり昔から「旅番組」というジャンルはテレビの定番ではありますが、観光地を巡って温泉につかり、ご当地の名産食材をふんだんに使った豪華な食事をいただくという王道の路線は、「ありきたり」という名の殿堂入りを果たしてしまったようで、近頃の旅番組はまずルールを課すことで、少々ハードになっている傾向にあります。
こういった趣向の原点は、やはり20年前の「水曜どうでしょう」あたりにあるのでしょうかね。「どうでしょう」で扱ったのは、6拓の中からサイコロの目によって行き先を決めるもの、絵葉書をランダムに選んで同じ場所の同じアングルをさがすもの等。関西ローカル「クワンガクッ」で陣内智則さんが旅したのは、道行く人にレシートをもらってその店に行き、最終的に難波高島屋を目指したレシートすごろく。
同じく道行く人に声をかけると言えば、東海ローカル「ノブナガ」でワッキーさんが旅した地名しりとり。「ロケみつ」では桜・稲垣早希さんがブログを更新しながら旅を続け、ブログへのコメント数が旅の行程を左右するものでした。
最近では、日本人がなかなか観光目的の旅行先には選ばないような、知られざる海外の場所を訪れて、文化や常識のギャップを知ろうという企画が多く、そのほとんどが旅人はタレントではなく番組のスタッフです。もしくは、長期拘束が可能なほぼ無名のタレントさんが挑戦企画として海外に飛ぶ場合もありますが、イモトアヤコさんなどはここから大きく存在感を示した例ではありますね。
さらには、電車のローカル線を途中下車しながら、口コミで沿線の名物を取材するものや、路線バスだけを乗り継いでゴールを目指すものなど、偶発的なハプニングを多分に期待した企画も少なくないようです。
出川哲朗さんの電気バイクを充電しながら旅していくものや、徳光和夫さんの割とのんびりしたバス旅にしても、細かい予定を記さずに、時には足止めを食らったり、お店が開いていなかったり、何かとスムーズにいかないケースもありますが、それもまた旅の面白味として楽しむ余裕を提案するのが、バラエティ色の強い昨今の旅番組であるようですね。
旅は「非日常」の入口。玄関の扉を開けたら、そこからアドベンチャーは始まっていることを、旅番組は示してくれているんですね。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第899号)
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。