23Jan
冬ドラマが出揃いました!今期はなんだか粒ぞろいの予感。
フジテレビの火10は「嘘の戦争」。草なぎ剛さんの主演ということで、2年前の「銭の戦争」が思い出されます。草なぎさんは以前もフジテレビで「僕の生きる道」シリーズ3部作がありましたし、今度も連作になるのかもという予感がしますね。
ちなみに「銭〜」では登場人物の名前が色にちなんだものでしたが、今回は数にこだわったネーミングになっています。こういう符号もちょっと楽しいですよね。
一ノ瀬浩一(草なぎ)はタイで暗躍する詐欺師。実は彼の本名は千葉陽一といい、30年前に両親と弟を殺されるという壮絶な過去があった。
ただ一人生き残った彼は、家族を殺した犯人の詳細を証言するのだが、担当刑事は、事件は父親の無理心中だと断言し、陽一のことを「嘘つき」だと決め付ける。この体験で孤立してしまった陽一は、その後は浩一と名を変え、巧みに嘘を操る詐欺師として生きてきたのだ。
ある日、詐欺のターゲットを探してホテルのロビーにいた浩一は、期せずして、家族を殺した実行犯と同じ痣のある男と遭遇する。この男を追って日本へ帰国した浩一は、事件の根幹に関わるのが、大企業「ニシナコーポレーション」の会長・二科興三(市村正親)だと知り、二科家の長男・晃(安田顕)や、長女・楓(山本美月)らに偶然を装いながら近づく。
だが父の後継者として社長に就任している次男・隆(藤木直人)は、そんな浩一に疑いの目を向けていく。
もともと草なぎさんは人当たりの柔らかそうなイメージで、「いいひと。」や「生きる道」シリーズなどでもその静かな微笑みでドラマのカラーを染めていますが、「銭〜」や「任侠ヘルパー」などでは一転、激しいキャラクターを演じて、鮮やかにその振り幅の大きさを見せてくれています。
また、朝ドラ「べっぴんさん」の年末放送分までは、優しく実直な靴職人を演じていた市村さんが会社至上主義の冷徹な経営者だったり、安田さんが今までの役どころにない感じの「総領の甚六」だったりと、これまた大きな振り幅。こういう厚みのある役者さんが揃っていることで、次の展開が楽しみになってきます。
物語は、1話で実行犯を見つけ、2話でなぜその指示がなされたのか知れることになる息をつかせぬ展開です。さらにその元凶となる事件が奥にあることが判明し、復讐の炎はさらに大きく燃え上がっていくことになります。
浩一の言動は相手を謀るための嘘に塗り固められていますが、その根本は家族に対する真実の愛。その真実に従うために嘘を繰り出す、浩一の烈しくも哀しい眼差しや、詐欺の相棒であるハルカ(水原希子)の浩一に対する気持ちや、楓のピュアな心情など、そこここにちりばめられた真実から、目を逸らすことができそうにありません。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第827号)
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