28Mar
先月、TBSの「月曜ゴールデン」枠で、国仲涼子さん主演の「民間科捜研桐野真衣の殺人鑑定」という2時間サスペンスが放送されていました。
ヒロインの上司役で渡辺いっけいさんが出演されていたのですが、実は私、2月にいっけいさんが出ている舞台を観劇したばかりで、放送時は千秋楽直前だったもので「こういうドラマってどれくらい前に撮影されるものなんだろう?」と思っていた矢先、画面に鑑識課員役で登場したのは、昨年の5月に亡くなられた今井雅之さんでした。
(噂によると、ドラマが制作されたのは世間がにわかに「リケ女」ブームに沸いた頃でしたが、放送時期にはそのブームが例のO女史の騒動によりあらぬ方向へ向いた為に、お蔵入りになりかけていた作品だったのだそうです)
最初から話が脇道に乗り上げておりますが、今井さんの訃報を聞いた時に私が思ったことは「この人が年齢を重ねた姿を見てみたかったなぁ」ということだったのです。頑固だけどブレない芯を持った、でも人情深い愛すべきジジィを演じてくれることだろうと予てから思っていた役者さんだったからです。
先日は、老練の女優さんのお話をしましたが、もちろん男優さんの中にもお年を召したことにより、更なる魅力を増した役者さんは多数おられます。女優さんと同じく、若き日には美しさを強調されたからこそ、老いてからは「枯れ」の美学とでも言いたくなるのが、近藤正臣さんと田村正和さんでしょう。ともに昭和の頃の「色男」の代名詞と呼んでも過言ではない両巨塔です。
近藤さんは今期の「あさが来た」をはじめ、「ごちそうさん」「カーネーション」「瞳」と、近年の朝ドラではヒロインの心の拠り所的な存在として常連となっています。大河「真田丸」でも家康の家臣として重鎮としての存在感を示していますね。若い頃には「キザ」といったイメージもお持ちでしたが、古希を過ぎるとそれが「粋」に昇華しているように思えます。
田村正和さんも、もちろん「イイ男」の代表格。一見、鼻につくほどのキザさも、「田村正和だから許される」と言っていい雰囲気をお持ちの方ですね。名優の二世で、兄弟も俳優という環境に育ったからか、どこか浮世離れした感じの独特の、誰にも冒せない世界観の中にいるいわゆる「スタア」ですね。
その田村さんも現在は72歳。まだ恋愛ものの主人公でもいけるのではと思わせるセクシーさもありながら、最近では、世捨て人的な哀愁を漂わせて美しく枯れている(ああ、また言葉がヘン?)のが、また独特の魅力と言えるでしょう。
まっとうに年をとることは実に美しいのだと、感じてみたりするのでした。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第785号)
関連記事
関連記事
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。