2Nov
秋のドラマ豊作祭り!毎週、ご紹介するドラマのネタに困らないのはいいのですが、週に一つずつご紹介していったら、ご紹介する前に最終回を迎える番組が出てくることに、今さら気がついたさっちゃんです。さて今週は、これまた今期話題作のTBS日曜劇場「下町ロケット」を。
日曜劇場を代表するヒット作となった「半沢直樹」の原作者、池井戸潤さんの作品です。「半沢」の後に「ルーズヴェルトゲーム」がドラマ化されたからって3匹目のドジョウと思うなかれ。池井戸さんが直木賞を受賞したのがまさにこの作品、言わば満を持しての真打ち登場なのです。
七年前、新型ロケットのエンジン開発者だった佃航平(阿部寛)は打ち上げ失敗の責任を取って宇宙科学開発機構を退職し、父が遺した佃製作所の社長となった。新社長となっても技術者気質の佃は、多額の資金を投じて研究開発部門に力を注いだ。しかしそれによって取得した特許の中には利益に直結しないものもあり、融資銀行からはそれらをガラクタ扱いされてしまう。
資金的に不利な立場の中小企業の佃製作所だったが、追い打ちをかけるように、競合の大企業・ナカシマ工業から特許侵害訴訟を起こされる。その賠償請求額は90億円。訴訟の目的は、佃の持つ技術力もろともに乗っ取ることだった。
ナカシマの卑劣な工作により、窮地に追い込まれる佃だったが、離婚した元妻・沙耶(真矢ミキ)から紹介された、知的財産関連の裁判ではエキスパートの弁護士・神谷(恵俊彰)と共に訴訟に挑んだ。
しかし資金的危機から、訴訟の継続が困難となった佃は、買収的和解案に応じることを覚悟した。だがそんな時、佃製作所の社員たちの結束の固さを知った神谷から最終手段として「逆訴訟」の提案が出される。
一方その頃、初の純国産ロケットの開発「スターダスト計画」を進めてきた帝国重工の財前(吉川晃司)は、ついにロケットエンジンの要のバルブシステムを完成させたが、ロケット着工にかかろうとした矢先、帝国重工よりも2週間早く、佃製作所の特許が出願されていたことを知ることになる。それはかつて銀行からガラクタ呼ばわりされた、佃の死蔵特許品のひとつだった。
初回は2時間スペシャルだったのですが、これがかなり見応えアリ。ナカシマとの訴訟の駆け引きにぞくぞくするような面白味を感じてしまいましたが、これはまだまだ物語の前段。ここから帝国重工とのやりとりが始まり、後半部では、原作上でパート2として描かれる「ガウディ計画」の部分もドラマ化されるそうなので、どんなに濃厚で肉厚で骨太な内容になるのか、かぶりつきたい気持ちになります。
時に熱すぎると感じてしまうほどに佃を突き動かしているのは「夢」。池井戸作品には、正義や復讐心など強く心に思う力が動機になる部分が多いですが、最も心がときめく夢が描かれることで、さらに惹き込まれてしまいます。しかもその夢を追求していくのはオジサンたち。一般的には夢見ることを許されずに諦めを強いられる年代と言われがちなだけに、その夢を応援したくなってしまうのかも知れません。
信念というバックボーンを持った「オッサンの夢」は、ロケット級の底力を秘めています。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第765号)
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