12Nov
NHKの朝ドラが最近好調です。特に2010年以降は「ゲゲゲの女房」「カーネーション」「花子とアン」と、実在した人物をモデルにしたドラマが多く、これはフィクションの形を取りながらも「最初は苦労しても、その後成功することが分かっている」的な安心感をもって見られるジャンルと言えるのです。
現在放送中の作品は「マッサン」。これも、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏とリタ夫人という、実在の人物ををモデルにした物語です。
広島の造り酒屋に生まれた亀山政春(玉山鉄二)は、ウイスキーの醸造技術を学ぶためにスコットランドに留学し、現地の女性エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)と愛し合うようになり結婚。日本産のウイスキーを製造する夢をかなえるため、エリーを帯同して帰国した。当時はまだ珍しかった国際結婚で、奇異と偏見の視線に晒され、困難に遭いながらも、エリーの「政春の夢をかなえるために共に生きる」という決意だけは揺らがなかった。
国際結婚の夫婦が主人公ということは、朝ドラ史上初の外国人ヒロインを据えるということがまず話題になりました。個人的には当初、在日事務所所属のハーフもしくは外国籍の女優さんが配役されるのかと予想していたのですが、ヒロインの座を射止めたのはアメリカ人のシャーロットさんでした。
聞けば、日本語は全く喋れない状態でオーディションを受けた中で、ずば抜けた演技力とセンスを見込まれたのだとか。確かに、現在放送中の演技でも、実に魅力的で愛される「エリー」を見せてくれていますね。
次に思ったのは、「ニッカウヰスキーの宣伝効果ハンパねぇ」ということ(笑)。実際のところ、北海道・余市の蒸留所の見学者やニッカの「竹鶴」の売上数が前年比増となっているようです。
また、劇中に登場する鴨井欣次郎(堤真一)は、サントリーの創業者・鳥居信次郎氏がモデル。「鴨居の大将」の豪放磊落なキャラクターはこれまた視聴者に愛されること必至。サントリーにも相乗効果が現れることも確実です。ちなみに政春が最初に勤める「住吉酒造」のモデルになった摂津酒造は、現在は「宝酒造」と合併されています。
まったくの私見で、ナレーションの担当は男の方が良かったな、と思うのです。これは松岡洋子さんの語りがいけないというワケではなくて、少し重厚な感じの男声が上から目線の語りをつけて、それが実はニッカウヰスキーのラベルでお馴染みのヒゲの男性・ローリー卿だったというオチだと面白いのに…と思ってしまったからなのでした。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第715号)
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