25Aug
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どんな巨匠でもへまはする。作品数が多ければ多いほど当たりもあれば外れもある。今回紹介するのは手塚治虫の『サンダーマスク』なんだが、この漫画、完結するまで2年もかかっている。別に大長編だというわけでもない(復刻された文庫ではこの作品だけ妙に薄い)。
なんでももともとは「TV特撮番組を作るから原作を書いてくれ」という依頼を受けての作品で、まず原作ありき、というモノではないらしい。手塚氏としても不満の多い、あまり気に入らない仕事だったようだ。
まあそれでも製作された作品が歴史に残るものだったら多少は救われるかもしれないが、『サンダーマスク』は現在「珍作」として特撮ファンの間では珍重されている。ただ現在ではフィルムが散逸しているらしく映像ソフト化されていない。だが数年前に名古屋地区ではほんの数話だけだか放映され、運良くそのビデオを鑑賞することが出来た。どれだけ珍品なのか、と期待して観たのだが……。
まず設定からしてマヌケである。宇宙の侵略者・デカンダーが地球を侵略することを察知したサンダー連邦は、それを阻止するためにサンダーマスクを地球に派遣する。
……のはいいが、なんと時間を一万年も間違えてしまったために、サンダーマスクはデカンダー襲来までカプセルの中でずっと眠って待っていたのだ。その前になんとかしろ、と言いたくなるがまだ早い。
自分が見た回はこんな話だった。一つ前の回がちょうどサンダーマスク大ピンチの話で、とうとう怪獣に破れてしまう。傷付き倒れたサンダーを、ウルトラマンで言えば科学特捜隊みたいな組織と、ヒロインの女性とその弟が協力し合って復活させようとするのだが、その方法というのがなんと電気ショック。しかし三万ボルトまで上げても目覚めない(思いっきりスパークしている。危ないってば!)。
そうだ、サンダーが眠っていたカプセルを使ってみよう、ということになり、埋まっていた場所へと向かう一同。が、タイミングよく地底から怪獣が出現して野ざらしになっていたカプセルをグシャリ。
駄目だ、もう我々に出来る術は無い。泣く泣く彼等はサンダーマスクの墓を作り(作るなよ!)、遺体をサンダーの空飛ぶ車に乗せ、宇宙へと飛ばす。(※書き忘れたが、サンダーマスクはもともと等身大で、怪獣と戦うときに「2段変身」して巨大化する)
でもこの車、どう見てもスバルのレオーネにしかみえない。
そこへデカンダーの手下が現われ、一同に降伏せよと迫る。その声姿からして男なのだが、こいつが人間に変身するとまるでSMの女王様みたいな姿になるから不思議である。おまけにムチも振る。ますます女王様じゃないか。
こんなヤツらに降伏してたまるかと、一同は電撃で(やはり3万ボルト)殺そうとするが失敗。怒った手下は正義の組織の司令室を占領し「貴様達を処刑する電気椅子を四日で作れ」と命令する。その間もムチは振る振る、やっぱりSMの女王様にしか見えない。
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