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テレまめ

特撮コラム「ウルトラマンA」

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そして、またも北斗は奇妙な光景を見た。ある河原で、子供達が川に向かって何かに導かれるように歩いていくのだ。北斗の制止の声も聴かずに……。自らの非力さを悔しがる北斗の前に、竜隊長が現われた。先刻の出来事を語る北斗。まるでこの世のものとは思えない、という彼の言葉に、竜は言う。

「そうだ……これは、この世のことではない。」

こんなことが出来るのは、我々の最大の敵・ヤプールしかいない。彼らは我々人類に挑戦しているのだ、と。そして竜は続けて言った。昨日の夜、二人の甥が姿を消したというのだ。

「山は茶色だ!花は死んでいる!」そう叫んだ直後に。
「私の甥がいなくなったから言っているのではない……。これは、全人類の問題だ!」
「それじゃあ……異次元に殴りこみますか」
「不可能だ……。人類は、まだそんな力を持っていない。」
「……一つだけ方法があります」と司令室の科学者・梶。
「メビウスの輪です。」

「メビウスの輪」とは、細長く切った紙を一回ねじってから両端をくっ付けると出来る簡単なものだ。この輪にペンを当ててなぞると、途切れることなく繋がってしまう。つまり、全面が表も裏もない物体に化してしまうのである。一度やってみて頂きたい。梶はこれを人体に応用する方法がある(どういうシステムなのかは不明)のだが、人間の構造は「物」とは違うものであり、最悪の場合死に至るという。だが北斗は憶せず名乗り出た。「僕にやらせて下さい!」彼は装置にかけられる。非常に危険な賭けであった。だが子供達を助けたいという想いはその困難をも乗り越えさせた。ある日突然、彼の姿が消えた。ついに異次元に飛んだのだ。

異次元空間をさ迷う北斗。そこへ、はるか彼方から指令が飛ぶ。「Aに変身せよ!」と、ここへ突然サブタイトルにあったゾフィーが現われ、同じく指令を受けた南夕子と共に異次元へやって来た!……北斗と梶隊員の苦労は?まあいいか。ウルトラタッチで変身、Aが登場。そこへ現われた巨大ヤプールと激戦を繰り広げる。異次元空間での凄まじい戦い。が、ようやくAはヤプールを倒す。異次元空間は消え、子供達も戻ってきた。替え歌老人も姿を消した。だが、巨大ヤプールの怨念はまだ残っているようだった……。

……と、いう話なんですが。

最後の方は至極あっさりと書いてますが、これは時間がなかったのと(もっとゆとりをもって書きましょう)、巨大ヤプールのインパクトが弱かったこと。あんまり印象に残る存在ではないし、何といってもその存在が前半・中盤の雰囲気に負けているのだ。実際観れば分かります。替え歌のインパクトはそれくらい強いのです。ちなみにヤプールの怨念は次回「見よ!真夜中の大変身」でようやく決着を見るのですが、驚いたことに先の替え歌老人もちょっとだけだが引き続き登場!そう、この回は二部作だったのです(笑)。まあこれはいいか……。

(文・荒馬大介)

※本記事はテレビる毎日公式メルマガ「週刊・テレビる毎日」のバックナンバーの中から、こざるが厳選した荒馬大介さんのコラムをブログ用に再編集したものです。掲載の年月日と号数は省略します。

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