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テレまめ

特撮コラム「ウルトラマンA」

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北斗の言うことを全く信用していないTAC隊員。だが竜隊長は改めて、彼が不思議な光景を見たという現場・XYZ地点の調査を命ずる。全隊員が去った後、司令室にはTAC科学者・梶と竜隊長が残っている。

二人の会話。

梶「隊長……北斗隊員の言うこと、信じられますか?」
竜「……(無言)」
梶「……僕には、信じられます。」

ぴくり、と反応する竜。絶妙な演技である。だが、梶のその思いに反して、XYZ地点の調査は進まなかった。そこにあるのは崖っぷちだけで、海岸など無かったのである。となると、北斗が見たものは一体……?悪夢だったのか?いやそんなはずはない、子供達が消えたのも、あの歌を歌う老人も、間違い無くこの眼で見た!

……それを裏付けるような事件が、日本ではなく世界で起きていた。

世界各地で報告される「消失する子供」の事件。共通しているのはそのたびに、「子供達が奇妙な歌を歌っている」ということだった。そう、『学生節』の替え歌である。

♪お前は俺を信じなさい、ホレ信じなさい、ホレ信じなさい……♪お前はお前を信じなさい、ホレ信じなさい、ホレ信じなさい……

といっても外国なので、日本語ではない。アメリカなら英語、フランスならフランス語、スペインなら、イタリアなら……という風に、その国の言語に合わせた『学生節』が流れる。こんな異様な光景は、並の監督には撮れまい。と同時に、日本各地でもどんどん子供達が消えていった。鹿児島の小学校で、秋田県の農村地で、杉並のプールで、次から次へといなくなっていく。その時、電波に乗せて流れてきた、奇怪でもあり不気味な経を読む声。これを聴いた北斗は愕然とする。

「この声だ!!」

ナレーション(担当しているのは名優故・岸田森)「不気味な夜が訪れた。消えた子供達は一体どこに行ったのか。明日はどの子供が消えていくのか、誰も知らない。しかし、必ず何人かの子供達が消えていくのだ。そして星の数もまた、いつもより多く光って見えた。」

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