8Jul
先日、地上波で放送されたアニメ映画「君の名は。」。劇場公開時には、一人で何度も鑑賞するリピーター続出で異例のロングラン、満を持して発売されたDVDソフトもヒットして、今更テレビで見なくても?という気さえ起きましたが、新海誠監督の新作「天気の子」予告とのコラボということもあり、放送前からかなりの話題に上りました。
放送が始まりますと、途中のCMが新海アニメの作品になっていたり、特に秀逸なアイデアだったのは、提供クレジットの企業ロゴが2社ずつ表示されるのが、それぞれのロゴデザインが入れ替わっているというもの。映画本編のストーリーの「ふたりが入れ替わる」のに合わせた、いわば座興のような「遊びゴコロ」というものですが、ハッと目を惹かれる楽しさがありました。
民放放送には切っても切れないCMの時間。テレビという娯楽の創世記には、本編に負けず劣らずの影響力を持ったものでした。朝ドラ「まんぷく」でも描かれたように、新商品を営業マンが売り歩いても一向に売れなかったのに、テレビコマーシャルが放送された途端に爆発的に売上数が伸びる現象が起きたり、数十秒に織り込まれたキャッチコピーが流行語になったりしたものです。
やがてテレビが浸透してくると、CMは少々余計なものとして扱われ始めた感があります。CMが流れる時間を「トイレタイム」と称されたり、ビデオデッキの録画モードに「CMカット機能」が搭載されたり。
その後、CMは特殊な変貌を見せるものが出てきました。スペシャル番組に合わせて、一度限りで放送されるもの、しかもそれが120秒以上を要するようなショートフィルム的な作りのものという風に、番組の小休止ではなく、もうひとつの本編と言えるような作品としてのCMが制作されるようになってきました。
シリーズもののCMでは、ストーリー性を持ってその後の展開が気になり、登場人物が増えたり関係性が複雑になって、3ヶ月で終わりを迎えるドラマよりも壮大な物語に発展したり…。
時にはCMが見たくて番組にチャンネルを合わせるなんてケースもあったり。表現の手段・手法は、番組よりもCMに可能性が多く残されているのかも?と思わせるような現象です。その可能性、もうちょっと楽しませてもらいましょうよ。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第953号)
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