12Mar
「油を売る」という言葉がありますよね。意味は「仕事をサボる」といったところでしょうか。
昔、油売りの商人がのんきにお客と世間話をしていたからというのがその理由となっていますが、その実、油は粘性が強く、小売用に移し替えて、最後の一滴まで切れるのを待つのには時間がかかるから、油売りはそれを待つ間、お客と世間話でつないでいたというのが真相のようです。
更にはそれに尾ひれが付いて、美濃の武将・斎藤道三はその生業をしていた時に見事なパフォーマンスをしてみせたとか、その世間話の中から重要な情報を得ていたとか、まことしやかな逸話が語られたりしますが。
そんな風に、生活の中には一見無駄に思えても、過ごし様によっては意味のある「必要な無駄」が存在するのかも。そんなことを思い起こさせたのが、テレビ東京の「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」です。
出川哲朗さんがディレクター及びゲストともに、電気スクーターに乗って日本各地を走り、スクーターの充電が切れると最寄りの店や家でコンセントをお借りして、充電が終わるまでの間、街の人と触れ合ったり、近在を観光したりして時間を過ごすという旅番組です。
アポなしの、行き当たりばったりのぐだぐだ旅企画というのは、最近では割とよくあるかもしれません。ガイドブックでお決まりの旅だけではなく、ハプニングを期待する要素も含まれているのでしょう。
この番組、メインキャラが出川さんというのが、彼が「嫌われキャラ」の代名詞として扱われてきた時代をリアルガチに見てきた世代としては、少なからず驚愕なんですが、若い世代には体当たりロケが受け入れられて、好感をもたれているようで、そんなタレントさんが不意にわが町に、バイクを充電させてと現れるとしたら、住民にとってもハプニングな非日常を垣間見られますね。
充電完了までのしばしの間、油を売りながら過ごしませんか。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第885号)
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