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テレまめ

特撮コラム「一万年の眠りから覚めた奴・サンダーマスク」

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……死刑台の完成期限まであと僅か。ヒロインは今は亡き優秀な科学者だった父親の肖像を祈るような思いで眺めていた。が、よく見ると額縁が傾いている。変に思って裏返してみると、そこには何と開かずの間になっていた自宅地下室の鍵があるではないか!

おい、傾いてたのくらい普段から気が付けって!

急いで自宅へ向かうと、地下室にはいかつい形をした光線銃がデン、と据えてあった。だがこの銃は悪用を防ぐためにあえて未完成にしてあり、あと一つ部品を付ければ使用できるのだ。ヒロインとその弟は置いてあった設計図からそれを割りだし(何でそんなことができるんだ?)、弟はすぐさま隣り町にある科学研究所へその部品をもらいに急ぐ。

普通だったらここで敵の邪魔が入ったり、その研究所にもたまたま必要な部品が無かったりするピンチな状況になるところだが、『サンダーマスク』はそんなお決まり事項(?)さえぶち破る。

所員「坊や、どうしたんだい?」
弟「この部品が今すぐ欲しいんだ!(とメモを渡す)」
所員「よし、ちょっと待っててね」

(しばらくして)

所員「はい」
弟「ありがとう!(すぐさま走り去る)」

……緊迫感がなーい!!ほのぼの演出がさらに拍車をかけてるぞ。

さて宇宙に放たれたサンダーマスクはどうしたかというと、彼を追って地球の近くに来ていたサンダーの妹に助けられ、蘇生光線を浴びて復活する。心配かけてすまない、と言い残し、サンダーは再び地球へと急ぐ。その後を追うスバルレオーネ。

とうとう死刑台が完成し、処刑が始まろうとしていた。だがそこへ、光線銃を完成させた姉弟が登場、SMの女王様、じゃなかった敵幹部目掛けて発射!やった、倒したか?いや、まだ生きている。一歩一歩彼らを追い詰める敵幹部。危ない!

と、ここで復活したサンダーマスクが登場。敵幹部を蹴散らし、前回自分が仕留め損ねた怪獣を今度はきっちり倒す。ただこのサンダーさんは光線技を持っていないらしく、変わった形のフリスビーみたいな武器を使っているところが何とも寂しい。さては合成をやる金が無いのか?

……まあこの後はよかったよかったということでエンディングとなるのだが、もう何と言いますか、ストーリーの展開上盛り上がる回のはずなのに全然それを感じないヘナヘナ気分がなんともはや。

実は『サンダーマスク』には「サンダーマスク発狂!」というそれこそ再放送も出来ないようなヒドイ話もあるのだが、これはまたの機会に…………って、誰も見たくないか。

(文・荒馬大介)

※本記事はテレビる毎日公式メルマガ「週刊・テレビる毎日」のバックナンバーの中から、こざるが厳選した荒馬大介さんのコラムをブログ用に再編集したものです。掲載の年月日と号数は省略します。

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