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テレまめ

小劇場で会いましょう【下北沢ダイハード】

私は生まれついての田舎者でしてね、のどかな暮らしが性に合っていることは痛いほどに実感しているのですが、四国の片田舎に暮らしていて「不利だ!」と感じることは、舞台演劇に触れる機会が極端に少ないことなんです。

北海道出身の劇団のファンになったことがきっかけで、どうしても見たい舞台は交通機関を乗り継いでも見に出かけますが、交通費や宿泊費やそれに伴う拘束時間が発生するとなると回数を重ねることもままならず、たまに出かけた劇場で他の公演のフライヤー(チラシ)をもらう度に、これらを見られる都会住みの方が羨ましくなります。聞けば、東京の下北沢という町には小劇場がたくさんあって新進気鋭の劇作家や劇団が活動しているというではないですか。

近頃、番組の企画内容の斬新さでは、在京テレビ局の中で群を抜いているとウワサのテレビ東京では、ドラマ24の新作として、下北沢で活躍する人気劇作家11人に、それぞれ1話完結のパニックコメディーの内容でドラマを書き下ろしてもらうというものが始まりました。その名も「下北沢ダイハード 人生最悪の一日」。

とあるスナックのママ(小池栄子)に、カウンターに座る常連客(古田新太)が語り始める。

下北沢は劇場の街と呼ばれるけど、単に劇場がたくさんあるからではない。劇的なことが日常に起こるからなんだよ。こんな最悪なことが起きたんだ、聞きたい?

全裸でスーツケースに入ったまま誘拐事件に巻き込まれたSM好きの政治家、風俗店のガサ入れに遭遇してしまった俳優など、本人にとっては人生最悪、でも客観的に見れば可笑しくてたまらないエピソードが繰り広げられます。

脚本を担当するのは、おそらくあまり一般的には知られていない、でも知る人ぞ知る脚本家たち。そして演出の担当は、ミュージックビデオなどの監督などで実績を挙げる気鋭の作家。出演陣も前々作「バイプレイヤーズ」での企画を彷彿とさせる、渋くてにくいキャスティングで、ことに2話では、光石研さんが本人役で登場するところなんて、まさに「バイプレイヤーズ」とリンクしています。

週ごとに小劇場をハシゴするかのような感覚で、あるいは古田さん演じる常連客(役名は、ダイハードだけに「ジョン幕練」ww)の面白そうな話に耳を傾けるように、最悪で最高な世界を覗いてみませんか。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第853号)

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