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テレまめ

日常の奇跡【コウノドリ〜命についてのすべてのこと】

秋ドラマが出揃いましたね。いやぁ、このクールのドラマは粒ぞろいではないですか?ラインナップに並ぶ作品は「見てみたい!」と思わせるものが多くて、実際見てみると、その期待に応えてくれるものが多いように思います。先週・先々週とご紹介した「無痛」と「偽装の夫婦」などは、放送時間は真裏にありまして、両方とも録画しているものの、どちらをオンタイムで見るかで悩んでしまいます。

その中でも私の「見てみたいリスト」の筆頭にいたのが、TBSの金曜ドラマ「コウノドリ〜命についてのすべてのこと」。同名のコミック作品があることは本屋で見かけて知っていたのですが、ドラマ化の発表があり主人公のヴィジュアルが公開になった時、表紙絵の再現率の高さに驚いたのが、見てみたくなった最初の理由です。

都内のライブハウスで演奏する謎の銀髪ピアニスト“BABY”は、たった10分の演奏でパフォーマンスを終わらせるような気まぐれな天才だと思われているが、実はそうではない。彼の正体は、ペルソナ総合医療センターの産科医・鴻鳥サクラ(綾野剛)で、破水した妊婦が救急搬送されるという連絡を受けたため、急遽、現場に戻ったのだ。

搬送されてきた妊婦・夏希(清水富美加)は、1度も産科健診を受けたことがない未受診妊婦で、妊娠の週数すら不明。さらに胎児は逆子で、すでに足が出かかっているが、そこに臍帯(へその緒)が引っ掛かっている。

サクラは新米産科医の下屋加江(松岡茉優)に、赤ちゃんを手で胎内に押し戻すように指示するが、あまりの体験にパニックになりそうになる加江に代わり、手際のいい女性がすかさずフォローに入る。彼女はベテラン助産師の小松留美子(吉田羊)で、サクラの研修医時代を知る人物。BABYのライブを見に行って、サクラの様子に緊急事態を感知して追いかけてきた小松は、院長にヘッドハントされて翌日から同じ職場になると言う。

夏希は帝王切開で女児を出産するが、子供の誕生を喜ばず、自分のことも多くは語ろうとしなかった…。

優しい雰囲気の鴻鳥にも、妊婦に厳しい同期の四宮(星野源)にも、なにやら辛い過去がありそうな伏線が引かれています。それらを織り交ぜてのドラマの展開に、人の温かさや命の重みなど、大きくて深いテーマが描かれていくことになります。また、ここで描かれる病院が取り組む「周産期医療チーム」の運営についても、考えるべきテーマの一つと言えるでしょう。

「妊娠は病気ではない」と言われながらも、ほとんどが病院で指導を受け、様々なリスクの一面も持つ妊娠と出産。人類が始まってから、おそらく絶えるまでずっと営まれ続ける「命の誕生」という奇跡をあつかう産科に、ドラマと感動がないはずはありません。それはもう、妊婦と胎児と同じ数だけの。家庭の貧富、障がいの有無、周囲に課せられた負担、しかしどんな事情があろうとも、おなかの中の赤ちゃんには一切の罪はない。

だからこそ、産科は病院で唯一「おめでとう」と言われる科なのです。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第764号)

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