1Jun
中学1年の頃ですかねぇ、兄が大学進学で一人暮らしをしたために個人部屋を得た私は、夜更かしとラジオの深夜放送にハマりました。だって当時、テレビは深夜には放送してなかったんだもーん。
今では、翌朝までエンドレスで放送が続くのはごく普通ですが、80年代頃までは、24時過ぎ頃にはテレビ番組の放送は一旦終了し、翌朝5時頃に放送が再開されるまではテレビは何も受信されない状態になっていました。これは70年代のオイルショックの影響も大きいようですね。
アナログ放送の当時には、何も受信されない状態にはいわゆる「砂嵐」と呼ばれるノイズが画面に映り、これを見続けると発狂するという都市伝説まで生まれました。デジタル放送の現在なら全面が青一色になるなどですが、それよりも、何かしらの番組をやってますものね。
23時台以降の時間枠に放送されるバラエティやドラマは、プライムタイムの番組に比べて、実験的な内容、ナンセンス的要素、革新的な配役など、チャレンジが許される傾向があるようで、それだけに根強いファンがついたり、その後に大きなムーブメントを起こす元になっているようにも思えます。
「オールナイトフジ」の女子大生ブーム、「平成名物テレビ」のバンドブーム、「夢で逢えたら」「とぶくすり」「はねるのトびら」などのお笑い新世代、「ねるとん紅鯨団」や「テラスハウス」は一つの社会現象にもなりました。
深夜ドラマはと言いますと「やっぱり猫が好き」「モテキ」「勇者ヨシヒコ」「みんな!エスパーだよ」「アオイホノオ」「深夜食堂」「時効警察」「SP」「コドモ警察」など、シリーズ化や映画化に発展するような着実なヒットを生んでいますし、作品はもとより、三谷幸喜、宮藤官九郎、福田雄一、佐久間宣行など、脚本家や演出家・プロデューサーなどの新たなクリエイターの開拓にも一役買っています。
そして、深夜枠を劇的に変えたのはアニメの放映でしょう。世界に誇る日本のアニメーションのクオリティを裏打ちするが如く、深夜枠は大人のためのアニメのホームグラウンドとも言える時間帯になっています。青年マンガやライトノベルを原作とした作品が、深夜枠で多数映像化されています。
19〜21時台をプライムタイムと言うのに対して、23時台はネオプライムと呼ぶのだとか。新しい波は、深い深い時間帯に秘かに起きて、やがて大きな波へと変貌していくのです。
※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第743号)
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