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テレまめ

選ばれしエリートが出演するイメージのあるテレビですが、そんな限定された枠ではなく、ごくごく一般の人が番組の主人公になるケースが少なからずあります。そう、少なからず。むしろそんな企画が、最近はかなり多くなってきているのです。

思えばこの連載の初期に「探偵!ナイトスクープ」をご紹介したときに『人の数だけ依頼があり、同じ数だけドラマがある』と名言っぽく言ってみましたが、まさに人生はドラマだと唸りたくなることしきりなのです。

放送業界において、街頭で録音を敢行することを「街録」といいますが、ズバリそれをタイトルとしているのが、NHKの「街録」。あるいは、フォークデュオのHONEBORNが街で出会った人に話を聞いてそれを即興で歌に仕上げる「骨の髄まで歌います」。

日本テレビの長寿番組「笑ってコラえて」では、名物の「ダーツの旅」コーナーをはじめ、「結婚式」「長距離バス」「部活動」など、切り口を変えながら一般の人に密着していきます。

衛星写真で探した、山中に一軒だけの家を訪ねてゆく「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)など、どれも企画の段階では行き当たりばったり的な感じさえしますが、そこで取材された人たちは、いずれも感慨深い人生を送ってこられた方が多く、偶然の出会いとは思い難いドラマティックな半生を垣間見てしまうのです。

もちろん、放送に至るまでには膨大なボツネタもあるでしょうし、その方の人生観を深いと受け止めるのは見る者の価値観次第なのでしょう。それにしても、それぞれが唯一無二であると思える自らの人生の主人公たちに出会えることで、世界は美しくて愛おしいものだと思わずにはいられません。

コロナ禍で人との距離を強いられる現在ですが、せめて心だけは寄り添いあえる優しい世界であり続けるためにも、市井の隣人たちの言葉を届けてくれる番組がその一助になってくれればと思います。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第1001号)

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