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吉田羊が解く!【レディ・ダ・ヴィンチの診断】

先日のネットニュースで、一時期は健康ブームの波に乗って多く制作されていた「医療系番組」が、最近では減少の傾向にあると報じられました。確かに、バラエティ番組の中でも生活習慣病予防の喚起のような内容で健康情報が取り上げられていましたが、少々煽りすぎた感もあったのか、番組の数は減ってきたようです。

残っている番組でも、最近ではどちらかといえばレアケースと呼ばれる病例を取り上げることが多いような気がします。まさに人の数だけ病気の種類があると言いたくなるような、人体の神秘は、そのままミステリーというジャンルになるのかもしれません。

今期の医療ドラマでは、フジ「メディカルチームレディ・ダ・ヴィンチの診断」がミステリー系の色を濃くしています。

橘志帆(吉田羊)は優秀な脳外科医であるが、時折、激しい頭痛とともにフラッシュバックのような意識障害を起こす事がある。過去に受けたトラウマ経験が原因らしく、これ以上メスを握れないと自己判断した志帆は、医師を辞する決意をした。

ちょうどそんな時、研修医時代の恩師である北畠(高橋克典)から、自分が院長となった東光大学病院に新設した「解析診断部」に参加して欲しいと言われる。手術をしないことを条件に志帆が赴いた新しい職場では、診断部のリーダー・岩倉医師(伊藤蘭)を中心に、内紛の火種がくすぶっていた。

優秀な医師が病気を治すという医療系ドラマとしての定石に加え、その病状が起こることになった原因や、患者がその詳細を隠したがる背景を多角的に解析していきます。

奇病や意外な病原を探り当てて行く展開は、同じフジ系「フラジャイル」、「チームバチスタジャネラルルージュの凱旋」や、日テレ系「ナイトホスピタル〜病気は眠らない〜」などの路線でも前例があるように、深まる謎→どんでん返しの意外な真相→正しい治療法をもっての完治といった、医療系ならではの爽快な大団円につながるのでしょう。

キレ者の女医に扮する吉田さんは、今最も旬な「ハンサムウーマン」。思い切りのよい行動力を持つ反面、払拭し難い暗く重い過去に囚われる二面性を演じています。

今作品が吉田さんの「地上波民法連続ドラマ初主演」となります。と、なんだかややこしい冠が付いているのは、同時期にWOWOWで刑事ドラマ「コールドケース〜真実の扉〜」が放送されているから(ちなみに「非民法単発ドラマ主演」は「純と愛」のスピンオフ)でして、こちらはアメリカのヒットドラマの日本リメイク版として、未解決事件を解き明かしていく女刑事を好演しています。

事件当事者でさえ、悪い思い出として蓋を閉じようとする過去の事件を、「忘れちゃいけない」と目を据えて正対する姿勢は、これまた惚れ惚れするようなハンサムウーマンです。こちらのキャラクターにも暗い過去が見え隠れするのですが、そのスパイスがむしろ、凛とした表情に慈愛のような深みを感じさせてくれます。

人の業が絡むような謎を解いていく、二人の吉田羊さんを存分にご堪能ください。

※元記事:コラム「さっちゃんはね、テレビが大好きホントだよ♪」(テレビる毎日公式メルマガ[週刊・テレビる毎日]第817号)

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