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テレまめ

特撮コラム「街角のヒーロー」

『シルバー仮面』は何とも日常臭漂っていた。気がつけばあなたの隣にエイリアン、てな感じで毎回宇宙人が登場する。ある回などヒーローに追いかけられて、買い物時で人がごった返している商店街の中を逃げ回っていた。近所の奥方の間をぬって繰り広げられる追跡劇は、何とも味わいがあるではないか。

まあこんなヒーローは極まれだ。大抵のヒーローはどこかの正義の組織に属していたりするわけで、普段の生活もその基地内、たまにオフが出来て外出するくらいだろうからね。ヒーローが一般人であるほど日常臭が強いわけで、例えばレインボーマンはレスラーを夢見る青年だったし、カーレンジャーに至っては自動車整備工である。先のシルバー仮面も一応は科学者だが、自分達の身体に隠された光子ロケットの秘密を追って放浪の旅を続けるという、何とも地味な存在だった。

しかし、特撮ヒーロー番組の中に漂う「日常臭」を作り出しているのは、ヒーローではなくむしろ「敵」の方である。

まず、こういう敵は一般人になりすましている。そのくらいだったら侵略者なら誰でもしているが(堂々と現れる奴は大した自信家か、ただの馬鹿だ)その後がポイントだと思う。

メトロン星人はアパート1つをアジトにするだけでなく、モロボシ・ダンとちゃぶ台をはさんで向かい合い交渉をしていた。バルタン星人Jrはビルの建設現場と見せかけて、ロボット・ビルガモを完成させた。この手法を取っている侵略者や悪の組織は結構多いのだ。我々の知らない間に、宇宙人は身近なところで地球侵略の準備を着々と進めているのである。まさに「あやしい隣人」(イカルス星人)といったところか。

でも、結局はバレる。全てが露見して侵略はおじゃんになってしまう。力技よりよっぽど頭が良さそうに見える作戦だと思うのだが、何故でしょう?

……あ、それを見抜いてしまうのがヒーローのヒーローたる所以なのか。

(文・荒馬大介)

※本記事はテレビる毎日公式メルマガ「週刊・テレビる毎日」のバックナンバーの中から、こざるが厳選した荒馬大介さんのコラムをブログ用に再編集したものです。掲載の年月日と号数は省略します。

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